道祖神の探索をしている時,一番困るのが紛失(盗難)でなく
なってしまう(しまった)ことです。部落の人達の落胆は大き
なものがあると思います。先祖代々村に伝えられ,祭ってきた
神様です。あまりの彫りの良さに欲しくなって盗んでいったん
だと思います。これまで何体の盗難にあってきたことやら。も
うマナーを越し,自分の欲望のみに走る輩が世の中何人もいる
と言うことです。

幸いにしてこの部落の道祖神は,三体ともに残っております。
一体ではなく,複数の道祖神を祭っている部落をいくつも回り
ました。撮影する者にとっては,嬉しい限りです。右側:P.780
同様の典型的な酒器持ち道祖神です。そして中央は両神ともに
合掌,恐らくこれが一番古い形態と思います。左側:この道祖
神の彫りが一番面白いです。左側の男神,被り物が他と違うよ
うな気がします。何やら瞑想をしているのではなく怒っている
ような表情(肩の張り)に見えます。右側の女神,お淑やかに
かつ控えめな彫りです。もう言うのを大和撫子と言うんでしょ
うかねえ。今ではなかなかお目にかかることは…。

栃尾:上樫出(音子神社)<https://www.mapion.co.jp/m2/37.49126395806441,139.01916144343215,17>

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